無題 5「死神のアルバートだ。よろしく」高校生の麻義が背中に乗れるほど大きな犬の死神、アルバートは温かみのある低音の声で言う。 「君は六番目の死神だね?名前はなんていうんだい?」 「へ?」 いきなり聞かれて妙に高い声が出てしまった。なんだか麻義は恥ずかしくなって、取り繕うように「き、吉良麻義です……」とボソボソと答える事しか出来なかった。 「それで何をしにきたの?」 寝ている状態なのでシャムの顔は見えなかったが、その声はどこか不機嫌そうだった。 「何しにきた、ときたか。ワタシ達はただ新しい死神とそのお付きがどんな顔か見に来てみただけだが?……どうやら」 |